モンブランについて

"モンブランといえば、日本でも人気の栗のケーキですよね。このモンブラン、実は山の名前だということはご存知でしたか?

モンブラン(Mont Blanc)はフランスとイタリアの国境に位置するアルプス山脈の最高峰です。標高はなんと4810メートルもあり、富士山よりも高い山なんですね。この山の形に似せて作ったのがモンブランの始まりです。ちなみに、モンブランは白い山、という意味があり、上に振りかけられる粉砂糖は、山にかかった雪がイメージされているのです。

フランス側とイタリア側から見えるモンブラン山の形が違うので、それぞれの国で作られるモンブランも形が違っているのは面白いところです。フランスのモンブランはドーム型をしているのに対し、イタリアのモンブランは切り立った崖をイメージした形になっているのです。

現在のモンブランの原型を考案したのはフランスの老舗のカフェ、アンジェリーナだと言われています。日本でモンブランが知られるようになったのは、ある日本人がフランスを旅してアイデアを持ち帰ったから。この日本人は迫田さんという方で、のちに東京で『モンブラン』という名前の洋菓子店を始めています。

迫田さんは、フランスのモンブランを日本人になじむようにアレンジして広めています。それがあの黄色いモンブランです。本格的なものだと茶色い色をしていますよね。黄色いものは実は日本生まれだったのです。

土台はフランスでは焼いたメレンゲですが、これをカステラにし、マロングラッセの代わりに黄色い栗の甘露煮を使用したのです。これが広まり、我々がよく知るモンブランが誕生しました。

茶色い本場のモンブランが知られるようになったのは、1984年にアンジェリーナが日本に進出してきたことがきっかけです。最近では当たり前のように茶色いモンブランを見かけますが、昔は確かに黄色いものしかほとんど見かけることはありませんでしたよね。

もともとこういった由来があるモンブランですが、現在では栗を使ったものであればモンブランと言われるようになっていますね。"