贅沢に抹茶を使用した上品な和菓子、霧の森大福

霧の森大福はどんな和菓子?

 愛媛県と高知県の県境に位置する四国中央市新宮町の名産である霧の森大福をご存知でしょうか?テレビや雑誌等の情報系媒体で紹介されたり、地域の物産店に出店することもあり、注目度が高まっている和菓子です。手のひらに乗るくらいの小さめの一口サイズですが、この大福は4重構造になっています。中心にはあっさりとした生クリーム、そのまわりをこしあんでくるみ、さらに抹茶を練り込んだ餅でくるんだあとに、もう一度抹茶をまぶした大福です。そのため、最初に口に入れたときには、ややほろ苦さを感じますが、噛むとこしあんの甘さと生クリームの柔らかな食感を感じると同時に、口の中いっぱいに甘さが広がります。ほろ苦さが甘さに変わるギャップが、甘さをさらに引き立てており、上品な甘さを味わうことができることから、いくつでも食べることができまます。

抹茶へのこだわりと洗練された原材料

 霧の森大福には、餅に抹茶が練り込まれ、さらにその表面にも抹茶をまぶしており、贅沢な抹茶の使用が特徴となっていますが、この地域は、愛媛県でも有名なお茶どころであり、この地域だからこそ作ることができない大福です。さらに、大福の原材料として使用されている「新宮わきの茶」は30数年農薬を一切使用することなく栽培されてきたお茶です。農薬を使用しなかったことによって、手間暇はかかりますが、「香り」を強く発するお茶の製法につながっています。そうした製法によって、この地域のお茶は香気日本一とも称されています。そして、大福に使用するお茶は「かぶせ抹茶」と呼ばれるもので、茶摘みの約10日ほど前から黒い布をかけて、日光を遮って作られたものです。光を遮った茶葉は、ますます鮮やかな緑色を帯び、渋みや苦みが抑えられた抹茶となります。

 お茶の産地でありながら、さらに精魂込めた製法によって作られた抹茶は、上品さを兼ね備えたあっさりした味わいとなり、餅や生クリームとの相性も抜群です。夏の暑い日には冷やして食べることでひんやりと涼み、冬の寒い日にはお茶とゆっくり味わい、ほっこりすることができます。また、上品さえゆえに進物にもお勧めできるいろいろな場面で活躍できる和菓子です。