そのお菓子の形には理由があることを知っていますか?
"お菓子の形にはそれぞれ理由がありますが、型に入れたり型で抜いて作るもの、絞り口を使うもの、工程中でその形ができるもの、と様々です。
なぜこのお菓子はこんな形をしているのか?と疑問に思うものをいくつかピックアップしてみましょう。
まずは、洋菓子でも代表的なクグロフというお菓子です。
蛇の目型ともいわれていますが、中心部分には火が通りやすいように空洞になっており、斜めにうねりが入っています。
僧侶の帽子に見立てたと言われていますが、これをフランスに持ち込んだのはマリー・アントワネットといわれています。
映画にもなりましたが、彼女はクロワッサンやブリオッシュ(こちらも僧侶の帽子の形)をオーストリアからフランスへ広めたそうで、何かに見立てた形が好みだったようです。
見た目の華やかさとは別に、お菓子の生地によってその形ができたケースがあります。
ワッフルやチューロ(またはチュロス)がそれですが、どちらも共通しているのは生地の固さです。
ワッフルはとても粘りが強く、ワッフル粉という専用の粉で生地を作ります。
チューロも同様で手では扱いづらいほどの粘りがある生地のため、焼いたり油で揚げる際に生地の中心に火が通らなかったり、熱で膨張した中心の生地が破裂して事故になることもあります。
そのためワッフルはハニカム(蜂の巣)状のような火が通りやすい型で焼く方がよく、現在のワッフルメーカーの型になりました。
チューロは生地をまとめづらいこともあり、絞り口で絞りながら油で揚げます。
この時、絞り口は必ず星形と決められているのは、丸型や平型では表面の凹凸が少ないことで生地が破裂する恐れがあるためです。
最後に、日本が世界に誇るお菓子・金平糖の形についても付け加えておきましょう。
ポルトガルから伝わった金平糖は、ザラメ糖を回転する大きな鍋に入れ、氷砂糖のシロップを少しずつかけていきます。
回転し続けながら次第に形が整ってくると、球体に凹凸がついたお星さまのような形になります。
この間1〜2週間ほどかかり、休まず回転させることでできあがる、大変手間のかかったお菓子なのです。"
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